Berber -Amazikh- Village
TUNISIA

チュニジアでの一番の目的は
先住民族 ベルベル人の集落へ行くことでした。

実は「ベルベル」という呼び名は 蔑称にあたり、
正しくは「アマズィーク」
ローマ字表記では Amazikh
彼ら独自の文字では ⴰⵎⴰⵣⵉⵖ

 ※このエスニックな文字 ⴰⵎⴰⵣⵉⵖ
  ティフィナグ文字と呼ばれ、現在も使われています。

ですが、「Amazikh アマズィーク」という
呼び名は 国際的に 今まだ定着しておらず
「Berber ベルベル人」と呼ばれることが多い
のが現状です。

現在のチュニジアでは
先住民族であるアマズィーク人の
割合は1%にも満たないのが実情で
その理由は歴史的背景にあります。

チュニジアを歴史的にみると
・ローマ帝国による支配
・アラブ人による征服
・フランスによる植民地化
など 外部からの侵攻と支配が
繰り返されてきました。

その結果、現在のチュニジアは
人口の98%がアラブ人で
公用語はアラビア語、第二言語はフランス語、
アマズィーク語は少数派民族の言語になっています。

そんな訳で
アマズィーク人の伝統が残るのは
地方の小さな集落ということが分かったので

まずは地方の町へ行き、そこからさらに
人里離れた集落を目指すことに。

かなり辺鄙 (へんぴ) な場所なので
もちろん電車もバスもなく、
タクシーもあるかどうか・・・
現地へ行って何とかするしかありません。

とりあえずアマズィーク村落に割と近い
地方の町に宿泊して
タクシー運転手を探したものの
なかなか見つからず、どうしようかと
宿の女主人に相談していたところ

ちょうど同じ宿に泊まっていた
アメリカ人のおじさんが
「君の行き先、面白そうだね。
 僕はレンタカーがあって
 明日は予定がほぼ空いているから
 車で一緒に行こうか?」と。

わーーー 本当に? ありがたい!

そんな幸運な出会いがあって、次の日には
アメリカ人のおじさん(「アメおじ」と勝手に命名)
の運転するレンタカーで一緒に出かけることになりました。

走行中の眺め

翌日、車に乗って出発。

車にナビが付いているとはいえ
走行中にナビに表示されているルートが
急に消えたりするので
携帯画面でGoogle Mapも見ながら走ります。

しかし、目的地の村落には 番地もないし、
町から離れると舗装されていない道もあり、
ほかに走っている車もなく、
周りの様子を注意深く見て進みます。

アメおじと二人で
「この道だよね?いや、方角的にあっちだ!」
と枝分かれした道を先に進んだり戻ったりしながら、
何とかそれらしい場所へ来ました!

標識も看板もなく
この村に名前があるのかどうかも
分かりませんが、これは間違いなく村落。

険しい岩山の麓に
石造りの壁が崩れかけています

それにしても 太陽の光の強いこと!

冬とはいえ
晴れると暑く、陽が陰ると急に冷えてきて、
砂漠地帯の気候は激しい。

今は使われていないようだけど
布地を染める壺も残されています。

誰もいない村落の中を
気の向くまま歩いて回ります。

どうやら この村は
以前は人が住んでいたものの
今は住む人はなく
観光客用に村内を整備している感じ。

カフェがあったので入ります。

この辺鄙な場所に こんな立派なカフェが
あるとは意外ですが

きっとハイシーズンになったら
首都チュニスから観光客向けのツアーで
何時間も貸切バスに揺られて
この村落を訪れる人々がいるのでしょう。

屋外のカフェは直射日光がまぶしすぎるので
屋内でコーヒーを飲むことに。

この時期は閑散期なので観光客はおらず、
いまこの村落にいるのは
カフェのお兄さん2人と
お客のアメおじと私だけ。

時間が止まったような
何の音もしない静かな村カフェ。

村に棲みついた猫と遊びながら
アメおじとしゃべりながら

この乾いた土地でいただく
濃いコーヒーは本当に美味しい!

一休みを終えたら、また村の中を歩きます。

一体ここには
何年前まで人が住んでいたんだろう?

カフェのお兄さんに聞きたかったけれど、
私とアメおじは チュニジア語もフランス語も
もちろんアマズィーク語も話せない・・・。

山の斜面に沿って造られた村落の面積は広くて
戸数も多かったので、栄えていた時期は
きっと人口200人を超えていたのではないかと
想像します。

新しめのモスクもあり、
ここはアマズィーク人の村落ながら
アラブの影響を受けていますね。


この岩山に造られた村落は
四方の見晴らしが良く
向こうの方に海が見えます。

そして発見!

この集落の はずれに
アマズィーク人の家族が暮らしていました。

現在も
ヤギや羊を放牧しながら生活している様子。

ここの集落全体の規模は大きく
なかなか良い状態で残っているし

実際のアマズィーク人の暮らしぶりを
少しだけ垣間見ることができました。

ここまでたどり着くのに
遠くて時間がかかったけれど
来た甲斐がありました。

こういった昔ながらの暮らし方には
厳しさや不便が多い反面、
自給自足に近い暮らしができるのは
基本的な生活能力がとても高い証拠ですね。

どこの国へ行っても共通しているのが
大自然の中で順応して生きる人々は
素朴で忍耐強い、という点。

そして、その生活の隅々にまで
先祖代々受け継がれてきた知恵や
自然と共存する叡智が詰まっていて

この土地に根ざした彼らの生き方に
尊敬の念を抱かずにはいられません。

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