Farming life -
Tea production at home
JAPAN

約20年間 送っていた
自給自足に近い生活について 

※前回の記事では 
ほぼ自給自足の生活1・・・畑仕事&毎日の食事
をご紹介しました。

今回は
お茶仕事(お茶刈り~番茶ができるまで)
を お送りします。

自給自足に近い生活は
田畑での農作業と並行して 
とれた野菜類を保存食にする作業も 色々とあり、

これも手間暇のかかる肉体労働が多いのですが、
自然から与えられた物で私たちは生かされている
ということを実感として理解できます。   
その中から お茶仕事について。

岐阜の実家では
庭の生け垣に お茶の木が並んでいるので

新芽が出そろう 初夏になると 
大きなハサミを使って
手作業で新芽を刈り取ります。 

ちなみに
作っているお茶は高級な手摘みの煎茶ではなく 、
自分の家で毎日お水のように飲む番茶なので
茶葉を 大まかにザクザクと刈り取っていきます。

この大きな お茶刈ハサミ には
刃の脇に 布袋が付いていて 
刈りながら茶葉が袋に入るよう工夫されています。  

こういった道具類の端々に
昔の人の知恵が活きていて、
しかも頑丈に作られているので

手入れしながら大切に使えば本当に長持ちして 
曾祖父の代から 70年以上経った今も
このお茶刈ハサミは現役で活躍しています。 

まだまだ現役で 古ぼけた感じはなく、
年季の入った 渋い美しさがあります。 
※今度、日本へ一時帰国したときに
 写真を撮ってこようと思います   

うちでは お茶も 野菜と同様に
売るほどの量はないものの 

家族が一年間 飲む分の茶葉が
賄(まかな)えているので 
お茶葉を買ったことは ほとんどなく、
たまに飲む 煎茶や麦茶などは
だいたい 頂きもの。   

さて、話が脱線したので
お茶刈りに場面を戻して・・・・・・


家で飲む 一年分くらいの茶葉を刈り取ったら 
庭に 竈(かまど)を出して
薪(まき)で火を焚き 
茶葉を サッとゆでて灰汁(あく)を抜きます。  


次々と ゆであがる茶葉を釜(かま)から
すくい上げて 湯を切り、
シートに広げて 天日干し。 

今はビニールシートを敷いていますが、
昔は 藁(わら)で編んだ 筵(むしろ)を
使っていました。  

熊手(くまで)という道具を使って茶葉を広げて
一週間以上、毎日初夏の強い太陽を当てて 

何度も 熊手で茶葉を返しながら
まんべんなく乾燥させ 
完全に水分が抜けてパリパリになったら
番茶のできあがり!  

できあがった番茶を
お茶用の大きな密閉木箱に詰めて、
保存食用の部屋で保管します。  

必要な分だけ茶葉を台所に置いて
毎日 大きな薬缶(やかん)に2つ
お茶を湧かすので 家族みんなが水のように飲む、
という 昔からの飲み方をしています。   

飲んだ後に出る 茶殻は、他の野菜くずと同様に
畑に撒(ま)いて土へと還すので 
生ごみが ほぼ出ないし土の肥やしにもなる・・・・・・ 

大昔からの暮らし方は
無駄なく 自然と循環するようにできていました。 

現代でも自然界の中で すべてが循環する
そんな生活をしていきたいですね。   

すっかり長くなってしまったので、
干しもの・漬けもの・味噌づくり については、
また次回に。

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