Kenya to Zimbabwe
by Taxi, Bus and Train


アフリカ大陸を
ケニア→タンザニア→ザンビア→ジンバブエ と
移動する旅は、距離にすると約3000㎞。 

飛行機で飛んでしまえば楽ですが、
せっかくアフリカへ来たからには
現地の様子を肌で感じたいと思い、 
できる限り 陸移動をしようと考えていました。 

しかし、
ロンドンから飛行機でナイロビに
着いてみると、情勢が不安定で
治安は おそろしく悪い。    

ナイロビに着いて早々、なんと 街で
暴動が起こって外出禁止令が発令される。

この暴動が非常に危険だったため、
泊まっていた安宿に缶詰め状態になってしまい、 
もうこのままナイロビから出られないのでは
ないかと一時は不安に。 

 
幸いにも 一週間ほどで
事態が少し落ち着いてきたけれど、

街は騒然としていて 果たして このまま
アフリカを旅して大丈夫なのか、 

あるいは帰りの飛行機を手配して
ロンドンへ戻った方がいいのか・・・・・・。   

旅を始めたばかりの初心者にとって、
アフリカはハードルが高すぎた!と
心底 後悔したけれど、 

もう来てしまったし、
せっかくアフリカの地を踏んだのに
ナイロビだけで終わってしまうのは
惜しい気もする。   


そんな中、
これからジンバブエまで行くという
旅仲間がいたので、 

ここで腹を決めて
ケニアからタンザニア、ザンビアを抜けて
ジンバブエまで陸路移動で行く旅に
加わらせてもらうことに。   


一緒に行くことになったのは、
男性2人+女性1人(私)の3人。 

それぞれ一人でアフリカに来ていて、
私以外は旅慣れた「ツワモノ」だけど、
アフリカは初めてだという。

男性であってもできるだけ単独行動は避け、
特に初めて行く場所や
これから始まる長距離移動は、
いつ何が起こってもおかしくないので、
緊張の連続になる。  

実は、アフリカで写真を撮りたい場面が
沢山あったのですが、 
とてもカメラを人前で出せるような
状況ではなかったので、

結果的にアフリカで5か月も過ごしたのに、
写真がとても少ないのです。

安い腕時計でさえ、
「腕につけていると、腕を切ってでも持っていかれるよ」
  なんて冗談のような、でも ありえる話として聞きました。 

 ※アフリカの庶民の状況について
 「社会の底辺あたりで過した5ヵ月 in 東アフリカ」
  で少し詳しく書いています。  


こんな状況のもと、
アフリカ3000㎞の旅が始まりました。     

とはいえ
アフリカは気が遠くなるほど広大で
しかも公共交通手段が
あまり発達していないため、
一気に進むことができません。



町から町へと乗り合いタクシーを
小まめに乗り継いで、 
途中の町や村で 宿に泊まりながら、
また乗り継ぐ・・・・・・。


長距離バスがある区間は
乗換が少なくて助かるけど、 

いざ乗り込んでみると
穀物や家畜を積んだ超旧型バスで
鉄格子のはめられた窓枠には
ガラスなどついておらず、

舞い上がる砂埃をかぶりながら
地元の人達の間に混じって
バスに揺られます。


時には乗っていたバスが故障して
荒野で ぽつんと立ち往生…… 

しかし何ともできないので、
運転手が修理するのを何時間でも待ち、 
故障が直ったところでまたバスに乗って先へ進む…… 

という 気の遠くなるような道のりを経て、 
ようやく列車で快適に移動できる
タンザン鉄道までやって来ました。 

※タンザン鉄道:
 タンザニア~ザンビアを結ぶ鉄道で
 距離は約1860㎞。
 週に2本の運行で 所要時間は丸2日。

    

このタンザン鉄道、快適といっても、
2等の寝台列車だったので
ラグジュアリー感は特にありません。 

また、運行は一週間に2本のみなので、
現地の駅で切符手配してから乗車までに
数日は待つことになります。

この広い広いアフリカの大地では、
急いでも仕方ありません。
何ごとも ポレポレ。 

※ポレポレ:
 スワヒリ語で 「ゆっくり ゆっくり」 という意味。   

それにしても、
列車はスペースが広くていい。 

車内を歩き回ることもできるし、
線路の上なので、 
悪路を走る超旧型バスのような
激しい揺れがなくて とても楽チン。

     
丸二日間の列車の旅では、途中で停車すると
その土地の人々が一斉に線路際に集まってきて、 
果物、トウモロコシ、干した肉や魚などを
売りこみます。


欲しいものがあれば窓越しに買って、
小腹が空いた頃に
列車に揺られながら食べるのですが、 

その土地で採れたものをいただくのが
楽しくて、とても美味しい!   

そして何よりも、たった数分間の
買い物のやりとりでも垣間見える、
アフリカ人の笑顔がたまらない。

顔いっぱいに笑い、
体じゅうから喜びがパーッとはじけて、
太陽のようにエネルギッシュ。 

そんな笑顔を向けられて、
鮮やかなパンチを喰らったような、
一気に目が覚めるような心地でした。    


一時はナイロビの暴動で怖くなって、
アフリカを一刻も早く出たいと思ったけれど、 

運良く 旅慣れた仲間に出会い、
ギリギリのところで覚悟を決めて
ここまで来れたこと、

また、この土地で暮らす人々の
鮮やかな笑顔に出会えて、本当に良かった。  

つづく…… 

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 次回は
「列車で国境を越え、警察署で泊まる in ザンビア」
 をお送りします。

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