North Sea in Germany
こんにちは。ピイル めぐみ(Megumi Piel)です。
日本人にはあまり馴染みのないドイツの海、 Nordsee(ノードゼー:北海)について、ご紹介したいと思います。
フランクフルトから約500km、車に乗ってひたすら北上します。
普段住んでいるフランクフルトも平坦な土地ですが、北へ行くほど視界をさえぎる物がなくなって、空が広く、雲が低い位置に見えてきます。
このあたりは風力発電用の風車を多く見かけるとおり、風が強い地域。
途中休憩を入れながら車で移動すること6-7時間、ようやくホテルに着きました。
ホテルの背景にもプロペラ型の風車が何基もあります。
車から降りてみると、とても風が強くて おまけに寒い。冬物のウールのコートを着込んでも、まだ寒い!
ここを訪れたのは5月上旬で季節はすでに春。新緑の時期になっているのに、海から吹いてくる強風が冷たいのです。 この辺りでは一年のほとんどの時期、風を通さない上着やコートが必須のようです。
ホテルから海へは50mと近いので、すぐそこに海が見えると思ったら、見えません。見えるのは、向こうの方まで続く大きな土手。
とはいえ土手の向こうには海があるようなので、「ザバーン、ザバーン」という波音が聞こえてくるのを期待しながら、土手を登って越えてみると・・・・・・
あれれ、海のはずだけど、波もなければ水もない。
土手を下りて海岸へ行ったものの、この風景
一面に広がる干潟・・・・・・どうやら、この付近は一日のほとんどが干潟になっているようです。
ここで視線を彼方へと移して水平線を見てみると、うっすらとした丸みが分かります。地球はやっぱり球体だという実感が湧く瞬間です。
さて、せっかく海辺に来たなら 干潟だけではなく、海水でなみなみと満たされた「海」を見たいので、波の見える浜まで 歩きます。
こちらは、なんと!犬も自由に散歩できるビーチ
ドイツでは、公園の芝生やビーチなど人々が憩う公共の場所では、衛生上の観点から犬を入れてはいけないことになっているのですが、犬用ビーチがあるとは驚きました。
これなら犬を飼っている人は一緒に散歩できて、ビーチでゆっくり過ごせますね。犬たちも、気ままにビーチを散策できて嬉しそうです。
公衆衛生を優先する普通のビーチと、犬が自由に歩いているビーチがしっかり区分けしてあり、どちらも尊重しながら共生できているのが素晴らしいですね。
ところで、ビーチのあちこちに置かれた、白くて大きな物体は何か分かりますか?
Strandkorb(ビーチ・バスケット)と呼ばれる、ビーチ用の椅子。
この辺りは本当に風が強くて緯度も高いので、天気が良くても、かなり風が冷たいのです。そのため、風よけとして すっぽりガードしてくれるのがこのビーチ用チェア。北海ならではの名物です。
この椅子にペアで座って雑談したり、昼寝をしたり、水着になって一人気ままに日光浴したり・・・・・・楽しみ方も十人十色。
風向きを見ながら、椅子の向きを工夫して座ると、ビーチ・チェアの中は極楽のプライベート・スペースになります。
海の空気を吸いながら、体はすっぽり温かく、まるで、ゆりかごの中にいるような安心感。
予定では、私もこのチェアに座って 本を読んだり、子供と一緒に遊んだり……と思っていたのですが、かなり疲れていたらしく、座ったら数分後には夢の世界へ行ってしまい、そのまま半日近く夢の世界を堪能していました。
ここでの滞在中はほとんどをビーチでのんびり過ごして、観光はほんの少ししただけですが、この土地の空気を吸って、またひとつ体の中に新しい世界の一部を取り込みました。
このNordsee(北海)は、肺や気管支に疾患のある人々の療養地としても有名な場所。海を渡ってきた空気は清浄で、 普通に息をしているだけで深呼吸をしているような気持ちよさがあります。
北海に行かれたら、気持ちの良い海風を吸いながら、ぜひ Strandkorb(ビーチ・バスケット) にすっぽり包まれて、本を読んだり、昼寝を楽しんでみて下さい。