Gypsies in Europe
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こんにちは
ピイル めぐみ(Megumi Piel) です。
今まで45ヵ国を回って
現在ドイツに住んでいる中で、
私自身が出会ったジプシーについて
書いてみたいと思います。
ジプシーの起源
ジプシーの起源はインド北西部と言われ、
15世紀にはヨーロッパ各地へと流れてきた
移動型の民族。ヨーロッパの他にも
ロシアや中央アジア、中東にも居住しています。
ジプシーという呼び名は差別用語だという
見解もありますが、実際のところ
ロマ、ドム、シンティ、バンジャーラなど
様々なグループがあるため、
ここでは総称としてジプシーという名称を
使いたいと思います。
住居
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移動型民族であるジプシーの多くは、
移動可能なワゴンで暮してきました。
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こんなふうに馬車で移動していた時代が
あったのですね。
昔は舗装されていない道をガタガタ
揺られながら、新天地へと向かったのでしょう。
このジプシーワゴン、
可愛らしく装飾されたアンティーク調のものが
現在もあります。
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一度はこのワゴンの中で泊まってみたくなりますね。
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現代のジプシーワゴンといえばキャンピングカー。
この写真のようなキャンピングカーで
生活していることもありますが、
近年はアパートや一般の家屋に定住
しているケースが多くなっています。
フランクフルトにあるジプシー居住区
あまり知られていませんが、
現在私の住んでいるフランクフルトにも
ジプシーの居住している地区があります。
その地区は一般の住宅地から少し離れた所に
ぽつんとあり、それほど広くない一帯に
キャンピングカーや簡素な小屋が並んでいて、
20世帯くらいが住んでいます。
集落の周りはフェンスで囲いがしてあるため、
ふらりと入り込める雰囲気ではありませんが、
子供も大人も老人も住んでいて、
ペットの小型犬がいたり、自動車もあり、
水道も電気も通っていて、現代的な日常生活が
営まれています。
しかし この集落はドイツで一般的に許可されて
いる住居の条件を満たしているようには
見えないので、特別な措置がとられているの
かもしれません。
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各国に散在しているジプシーの暮らし
ヨーロッパ、ロシア、中央アジア、中東などに
分散して各地に居住しているジプシー。
彼らはその地域の言語(ドイツではドイツ語、
イタリアではイタリア語、ロシアではロシア語など)
を一般共通語として話しますが、
彼らの間では独自の言語を使っています。
気になるのは生活の糧となる職業ですが、
彼らの就いている職業は、季節労働、サーカス、
行商、 牛馬の売買、占い師、エンターテイナー
など様々。
あまり一般的ではない特殊な仕事を担って
いるのが特徴的ですね。
スリ集団に囲まれてしまった私の経験
彼らが生活する上での収入源として、
ごくまれにスリを働く集団もあります。
私自身イタリア・ミラノの街を歩いているとき、
突然5-6人の女性子供のグループに囲まれ、
ジーンズの前ポケットに入れていた財布を
すられそうになった経験があります。
すられる前に気付いて振り切ったので、
彼らは散り散りに逃げ去りました。
幸い被害はなく一安心したものの、
昼間の安全な場所であっても怪しげな人が
いないとは限らず、特に初めての場所は
注意が必要だと気を引き締め直しました。
こういった負の経験談を伝えると、
ジプシーの人々すべてに負のイメージが
ついてしまうかもしれませんが、
親切にしてもらった経験もあるので、
ここでご紹介したいと思います。
ジプシーにご馳走になった経験
以前、ポーランドのワルシャワで
友人宅から一人で外出したとき、
ジプシーの住んでいる地区を通りました。
詳しくははぶきますが、
偶然通りかかったその場所にいたのは
ジプシーのお母さんと少年少女たち3-4人。
彼らと言葉は通じないものの意気投合して、
近所の青空市場へと一緒に歩いて行くことに
なりました。
市場を一通り見終えたところで、
「これからお昼を食べるから、家へおいで」
というのでお邪魔することにしました。
アパートに着いたら、さっそくキッチンで
イワシを開いてフライにして、
ジプシー家族の皆と一緒に
揚げたてのイワシフライを頂きました。
ついさっき出会ったばかりの
見ず知らずのアジア人(私)を自宅に招き入れ、
食事を一緒にする、そのオープンさと軽いノリ、
懐の深さ・・・・・・。
個が確立しているヨーロッパの地で、
久しぶりに「あなたも私もみんな兄弟」
という温もりに触れた経験です。
※すべてのジプシーが親切というわけでは
ありません。また見ず知らずの人の家に
行くことはリスクが高いのでオススメしません。
外見とファッション
外見の特徴は、肌の色が浅黒いインド系の
顔立ちをしたグループもあれば、
金髪に青い目をしたヨーロッパ系のグループ
もいます。
外見上ジプシーだと分からない場合も
多々ありますが、見分けやすい例を挙げると
こんな感じ。
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伝統衣裳はグループによって異なりますが、
上の写真はどれも素敵な民族衣装ですね。
女性のファッションの特徴としては、
長い髪に長いスカートが基本。
都市部にいるジプシーの
現代ファッションはこんな感じ。
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少女達も長い髪に長いスカートが好み
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黒を基調にしたモノトーンな色を身につけていることが多い。
特に同じ土地で何世代にも渡って暮している場合は、
その地域の一般の人々と同じように街に住んで、
普通の服装をして、一般的な職業に就き、
一般と何ら変わらない生活をしているため、
ジプシーの末裔だということが
まったく分からないケースも多いです。
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これほどの美女には
なかなかお目にかかれませんが、
エキゾチックな魅力がありますね。
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音楽や踊りを愛する彼らは、
その自由奔放で陽気な踊りと、
情熱的でメランコリックなメロディーが特徴。
彼らが生まれながらに持っている音楽センス、
色彩センス、人間臭さと神秘的な魅力は、
多くの人を惹きつけます。
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最後に
この地球上では定住する人口が多い中で、
あちこちへ流浪して暮してきたジプシーは少数派であり、
彼らの生活スタイルや職業、マナーが一般の常識とは違う
ことから、 各地で「招かざる客」として迫害されたり
差別を受けてきた過去があります。
しかし各地域に溶け込みながら、独自の文化を保ち続けてきた
その存在感とたくましさには感動をおぼえます。
また、彼ら特有の優れた芸術的センスを生かして、
エンターテイメント界で活躍する人達がいます。
欧米のヒッピーや若者、芸術家たちからは
憧れの存在として 支持されていることからも分かるように、
彼ら独自の文化とセンスは、エキゾチックな魅力にあふれています。
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