Overnight at Police Station
Tanzania- Zambia
前回の記事
「ナイロビを出発して ジンバブエを目ざす」
のつづき です。
初めてのアフリカ旅は
ロンドンからナイロビへ着いた直後に
激しい暴動が起こり、
ナイロビ市内の安宿で
しばらく缶詰めになりましたが、
事態がある程度 落ち着いたのを
見はからってナイロビを出発。
3000㎞南にあるジンバブエを目ざします。
ところで、アフリカでの移動手段は
プライベートで車と運転手を
手配することも可能ですが
バックパックを背負って
安宿を渡り歩いていた身なので、
もちろん移動も庶民派で行きます。
地元の人達が利用する
乗り合いタクシーや 超旧型バスを乗り継ぐ旅は
体力的にも 精神的にも 消耗が激しく、
途中の町や村で
安宿に泊っては 体を休めます。
その土地が気に入ると 少しの間滞在し、
鋭気を養ったところで
また 乗合いタクシーやバスに乗り込んで
町から町をつなぐルートを
荒野を走りながら
地道に進んで行きます。
バス移動の様子は
どんなだったかというと
鉄格子の窓には
ガラスがついておらず
舞い上がる砂ぼこりをかぶりながら
半日以上バスに乗って移動していると
黒髪のストレートは 灰色になって逆立ち、
鼻の中は砂でザリザリに。
また、車体はスプリングがなくて
舗装していない悪路を走るので
縦揺れが ガタガタ ドンドン激しくて、
あまりの振動つづきで
腸などがねじれてきて
内臓が痛くなる。
ああ、アフリカの陸路移動が
こんなにタフだとは……。
地元のアフリカ人たちにとっても
長距離バスの移動は厳しい様子で、
目をつぶって激しい揺れにひたすら耐えている。
『お互い大変だね』 という
労い(ねぎらい)の気持ちが湧いてきます。
『あと○時間でバスを降りられる(故障がなければ!)』
と カウントダウンしながら
祈るような気持ちで揺られ続けた末に、
ようやく鉄道の通っている町まで
たどり着きました!
ここからは
タンザニア~ザンビアを結ぶタンザン鉄道で、
1860㎞を丸二日かけて移動します。
このタンザン鉄道では
2等の寝台を確保できて、
バス移動とは比べられないほど快適な二日間。
途中、タンザニア/ザンビアの国境で
列車はしばらく停車し、
私たち乗客が
出入国の手続きを終えたところで
また発車。
無事ザンビアに入国できたので
スイスイ走る列車の中で
残りの一日を過ごし、
快適だったタンザン鉄道は
あっという間に 終着駅へと到着しました。
次はザンビア/ジンバブエの国境を目ざして、
またバスで町から町へと乗り継ぎです。
ところで、今回のアフリカ移動は
ケニア→タンザニア→ザンビア→ジンバブエを
陸路で約3000㎞。
今 ザンビアなので、
最終目的地のジンバブエまであと少し。
そんな時、
ちょっと うろたえる場面に直面。
乗っていたバスが
目的地の小さな町に到着したのは、
なんと真夜中。
日没後に見知らぬ土地へ着くのは
避けたいけれど、選択の余地がなくて
遅い到着になってしまった。
電灯もない真っ暗な町のバス停で、
バスのライトが照らした先には
目を疑う光景が……。
バスの終点とはいえ建物も屋根もなく、
ただの空き地が暗闇に広がり、
暗闇の中で
30人くらいの人が地面にゴロゴロと
横たわって寝ているではないか!
わわわ!
この人達は何?
なぜ地面に寝ている?
もしかして明日のバス待ち?
……状況が飲み込めないので、
乗っているバスの窓から
周りの様子を観察していると、
運転手からは
ここが終点だからバスから
降りるように言われ、
仕方なく降りる。
この町は計画停電しているのか、
見当たるのは薄暗い電灯 2つだけで、
それ以外はすべて暗闇。
そして、私たちの すぐ近くには
見知らぬ人々が地面にゴロゴロ寝ている。
……こりゃ まずい。
暗闇で見知らぬ人々に囲まれるのは
避けたいので、
一緒にいる旅仲間2人と共に、
とりあえず道路脇にある
電灯の明かりの中へ入って
安全策を考えてみる。
さて、今から どうしよう……
電灯の薄明かりの下で
3人が交代して眠って、
朝が来るのを待とうか。
いや、夜明けまで まだ6時間位あるし、
長旅で疲れているから
3人そろって眠ってしまいそう。
野宿をして、目覚めたときには
身ぐるみ剥(は)がされていたという話は
よくあるし、どうしたものか……。
ここより もう少し安全で
落ち着ける場所を探すことに決め、
3人とも疲れた体で
重いバックパックを背負い
懐中電灯で足元を照らしながら、
とぼとぼ歩く。
しばらく歩くと
警察署らしい建物があったので、
ダメモトで玄関先から声をかけてみる。
少しして真っ暗な建物の中から
男性が出てきて、ここは警察署だという。
宿直だったその警察官に
私たちは事情を話し、
どこでもいいから今晩だけ
泊めてくれないかと頼んでみる。
すると、玄関ならいいと言う。
おお、ラッキー!
真っ暗なので この警察署の様子は
大まかにしか分からないけれど、
小さいながらも
割としっかりとした建物で
コンクリート張りの床、
玄関ドアの中は屋根もあるし、
今の私たちにとっては好条件!
ありがたく
警察署の玄関で泊めてもらうことに。
ただし、発展途上国のお役人は
権力を笠に着て
ワイロを要求することがあり、
ここできっと
泊めてもらう見返りに
金品を要求されるだろうと
予想していたのですが、
タバコを5~6本でOK、という
良心的な警察官で良かった。
こうして
激疲れだった私たち3人は
それぞれの寝袋を出して、
ザンビアにある小さな町の
警察署の玄関の床で 川の字になって
朝まで眠ったのでした。
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にほんブログ村次回は
「国境 ヴィクトリアの滝を越え
バオバブの木に出会う in ザンビア・ジンバブエ」
をお送りします。