こんにちは。ピイル めぐみ です。
ネパールの古都バクタプールでの ひとコマ。
細い路地を歩いていたら、民家の縁側のような場所で糸をつむぐ女性がいました。
近所の人と世間話などしながら、慣れた手つきで つむいでいます。 こういう手仕事の現場を 素通りできない私は、あいさつして 少し様子を見せていただきました。
このおばあちゃんにとって 糸つむぎは「体が憶えている技」 。 おしゃべりしながら、手元をほとんど見なくても スイスイと糸ができていく様子は魔法のよう。
こうして手つむぎされた糸は均一ではない分、手織り布にするととてもいい表情が出て、こういう布で作った服や小物は使うごとに味わいが出て、着心地や使い心地が良くなるのが特徴。 現代の衣服が計算されて清潔でモダンな代わりに 割とすぐ飽きられてしまうのとは逆ですね。
手仕事で作られた自然素材のものは、不揃いで 一品物で、出来上がるまでに 手間暇かかる代わりに、着用してみると、体全体が深呼吸するような心地よさを感じます。また、年月が経つにつれて体や気持ちにしっくり馴染んでくれるものが多く、その物自体に存在感があります。
先進国の日常生活でも、既製品の中に 手仕事のものを一つ加えると、 見た目も、自分の気持ちも、少し特別になります。
久しぶりに 手つむぎ 手織りされた布を手にとって、ああ、なんて豊かで優しいのだろう・・・・・・と思い出しました。