Camping in Meadow
MONGOLIA

こんにちは。 ピイル めぐみ(Megumi Piel)です。

 
前回の記事「モンゴルの大草原を馬で駆ける5日間」のつづきをお送りいたします。   

モンゴルの草原を 馬で移動しながら5日間、野営テント生活をすることにした息子と私。 
もちろん自力では無理なので、遊牧民ガイド+通訳ガイド+料理人が一緒です。

今日も、朝から夕方まで馬に乗ってどこまでも続く大草原をどんどん進んでいきます。

見上げなくても 目の高さに空がある 
さえぎる物のない 果てしない広さ 
ここは地球だけど 宇宙に近いなぁ…… 
ときどき自分の思考や感覚が 果てしない彼方へ飛んでいきます。

しっかし、乗馬ってこんなに体力を使うものなんだ。馬で行く5日間の旅は思った以上に厳しくて長いなぁ……そんなことも思いながら 馬に揺られて淡々と進む。 とはいえ、馬はときどき何かに驚いて急に走り出したりするから気をゆるめてもいられない。

草原には山も谷もなく、木は一本も生えていないから、草原に暮す動物たちも私たち人間も、天候の影響をそのまま受けます。晴れたら強い日差しが照りつけ、風が強く吹いたら飛ばされそうになり、雨が降ったら濡れながら、馬に乗って延々と進んでいきます。

そして、今日も一日 朝から夕方まで 4人+馬4頭で 頑張って移動したので、そろそろ野営の準備をします。

このあたりは ちょっと斜面だけど、これくらいのことは誰も気にとめない。休める場所と時間があるだけで充分ありがたい。今日はここでテントを張って、夕食の準備をして、一晩を過ごします。

大草原には、もちろん水道もトイレも電気もないから、車に積んだ限られた水で手と顔を洗い、トイレは 草原のどこでも好きな場所で、時には牛や馬や羊に見つめられながら用を足します。

電気もないけど、なんと! 遊牧民は この大草原で携帯電話を使っています。この5日間の馬旅にも、移動途中で便利なものを使って携帯を充電していました。

その便利なものとは……

ソーラー充電器 (驚!)

初めて見たソーラー充電器に目を丸くする 私と息子。こんなハイテク機器に草原でお目にかかれるとは、意表を突かれました。
私の携帯とカメラも このソーラー充電器で 充電してもらいましたが、夏のモンゴルは日照時間が長く日差しも強いので、晴れた日には充電スピードがなかなか速かったです。

さて、食いしん坊にとって気になるのは、草原での食事事情……

毎日 モンゴル母さんがこの移動式ストーブに薪をくべて、朝昼晩の3回、温かいものを出してくれます。

夕食を調理中のモンゴル母さんとモンゴル息子

一日の食事のメインは夕食で、食事内容は日替わり。
1日目は 羊肉入り焼きうどん
2日目は 羊肉入りスープうどん
3日目は 羊肉入りおかゆ
4日目は 羊肉入り焼きビーフン
5日目は 羊肉入り……という具合に、羊肉の毎日。

それに、鍋一つを使いまわすので、羊の脂が残った鍋で沸かしたお湯とお茶が、これまた羊風味。
というわけで、絶対に私の体臭も羊の香りになっていたはずだけど、モンゴル人も、息子も私も、皆が連日 同じ羊料理を食べているから、お互いに気づかない。

とはいえ、寒い朝には羊脂の入ったお茶が体を温め うるおしてくれるし、乾燥の激しいモンゴルでは肌を守るためにも脂分が必要だということを、この大草原でひしひしと実感します。


毎日 大空の下で6人揃って食事(写真では4人しか映っていませんが…)

ところで、この果てしなく広い草原で私たちが食事をしていると、もの珍しげに 見物にやってきたのが……

               牛たち

地面に座って食事をしていた間に ゆっくり距離を縮めていたようで、 気づいたら多くの牛に囲まれていた 私たち。牛たちは はるか向こうの方から私たちを物体として見つけて、 興味を引かれてやってきたようでした。
『牛たち、かわいいな~』と思いつつ、テントや荷物を 踏みつけられても困るので、追い払う。

それにしても、 大空の下 だだっ広い草原で 食事をしている時だけでなく、トイレ中にも、牛たちに見物されることが多々ありました。ちょっと照れるけど、きれいな目で見つめられるのは悪くない、というより同じ生き物として興味を持たれているのが嬉しくて楽しい。

さて、今日も一日が終わり、テントの中へ。

小さな二人用テントとはいえ、屋根と囲いがあるのは大きな安心感。

夏のモンゴルは夜10時頃まで明るいので、たまにテントから顔を出して外を見てみる……

ああ、夢のような風景。

草原に優しい風が吹くとき、野草をなでた風は何ともいえない いい香りを運んできてくれます。
かぐわしい香りと雄大な風景に包まれ、ここは天国ではないかと思うような ひととき。
ああ、ここまで無事に来れて、本当に良かった。

そして今夜も 草原を飛び交う虫たちの羽音を聞きながら眠ります。

つづく……

今回のモンゴル旅での教訓
モンゴルでは、地元の人々とのコミュニケーションは想像していた以上に難易度が高かったです。 その理由は、英語を話せる人がとても少ないことと、モンゴル語のキリル文字を外国人の私たちが読むのは困難だという点。
モンゴルでのコミュニケーションには、旅の会話帳(モンゴル語)がとても役に立つでしょう。私は持っていなかったため、街角で道を尋ねたり、タクシーで行先や料金の交渉をする時、少し手こずりました。そんなときに会話帳があるとスムーズですね。
また大草原でも、遊牧民の人達と直接コミュニケーションをとるのに大活躍しそうです。


旅の指さし会話帳16モンゴル(モンゴル語) (ここ以外のどこかへ!)

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