Horse Riding 5 days
Mongolia

こんにちは。ピイル めぐみ です。

7月下旬、日本からモンゴルへ 息子と2人で行くことにしました。
普段住んでいるフランクフルトは、学校が6月下旬から8月上旬まで夏休み。この夏休みを利用して日本に一時帰国していた息子と私は、ドイツへ戻る前に、モンゴルの大草原で馬に乗ることを決めたのでした。   

さて、モンゴルに着いた次の日から 馬に乗って草原を移動する「野営の旅 5日間」が始まります。  まず馬に乗る前に渡されたのは……

籐で編んだヘルメット  

このような自然素材の可愛いヘルメットがあるなんて、感激! 風通しも良さそうだし、もしもの時に頭を守ってくれる頼もしい装具です。 他に チャップスというブーツ代わりに膝下から足首に巻くプロテクターも着けます。   


装具を着けて準備が整ったところで 、私も息子も 乗馬は ほぼ初心者なのですが、レクチャーや 説明はなく……

はい、乗る。
はい、乗ったら 進む。

遊牧民ガイド、通訳ガイド、息子、私の4人がそれぞれの馬に乗って、おもむろに野営の旅が始まりました。

   馬上からの眺め

初めは ゆっくり並足(なみあし)だったので馬上から写真を撮る余裕があったのですが、この後、
並足  トコ トコ
早足  スッタカ スッタカ
駆け足  タッタカ タッタカ タッタカター
うぉぉぉぉぉーーーーーー

揺れる 揺れる 飛びはねる。振り落とされそうで怖いしお尻に ドシン ドシン 響く 。

ひぃぃぃぃぃーーーーーー

馬のリズムに合わせるのに必死で余裕は一切なし。その一方で、馬に乗って走る躍動感に体中が感激して、涙が出そう。余裕はないながらも、昔こんな経験をしたような、懐かしい感覚です。

馬に乗って2時間ほど進んだところで、ひとまず休憩。

地面に座って休憩

草原は
広い
広い
ひたすら 広い

樹木や建物がないから 日陰もない
太陽が出ると 照らされ
曇ると 寒くなってきて
雨が降ったら 濡れる

草原では 動物も人も
野ざらし、雨ざらし

初日から自然の厳しさを垣間見て、この大自然の中で人間は無力であるなぁと、ごく当たり前のことを受け入れたのでした。

そしてまた馬に乗り、前へ進む。一体どこへ向かっているのか私には見当もつかない大草原を遊牧民ガイドの後について淡々と進む。

モンゴルの夏は日が長く、まだ明るくても もう夕方。
今日は このあたりで野営することになり、その前に一日よく働いてくれた馬たちを連れて 水場へ。

草原の水場

井戸が掘られていて、この水のきれいで冷たいこと!

ガイドさんたちも 馬たちも美味しそうにゴクゴク飲むので、胃腸の強い私は この井戸水を飲みたい衝動に駆られたけれど、ここでは お腹を壊すリスクを避けてペットボトルの水を飲む。

そして、今日の野営地はここに決まり。

左側の青いのが私たちのテント

キャンプ用のテントを張ってもらい、激疲れの息子と私は 二人用テントになだれ込む。


その頃、料理担当のモンゴル母さんが草原で薪(まき)を燃やして料理。毎日 朝昼晩の3回、私たちが野営する草原の大空の下で温かい物を作って出してくれます。
※草原料理の様子は次回ご紹介します

夜10時頃、ようやくあたりが暗くなり、就寝。
夕方から翌朝にかけて、日中私たちを乗せて走った馬たちは草原に放たれて草を食む。

次の日、テントから這い出して大空の下で朝食を終え、草原の適当な場所で用を足し、テントを片付けて、また馬に乗る。

ところが馬で走ってみると馬の勢いに体がついていかず、力が出ない。
どうやら前日の乗馬で体力を使い果たしたのだと気づいた私は、この日 1時間程度で馬を降りてモンゴル母さんの車で移動することに。

馬でひたすら進む皆とは別ルートを車で走って先回りしてみると……

写真中央あたりに見える黒い点が乗馬中の一行

待つこと十数分……

おお、来た来た。


こうやって はるか彼方からやってくる一行を出迎えるのも、なかなか感動的です。

今日は私の代わりに モンゴル母さんの息子(写真左)が馬に乗り、4人+4頭が勢ぞろい。

馬に乗る男達、かっこいいな~。

うちの息子も馬が好きで、自分の乗っている馬がかわいくて仕方ない様子。

一方、モンゴル母さんの息子(略してモンゴル息子)は……

裸馬に乗って 風のように草原を駆ける。まだ9歳でも馬の扱いを体得していて すごいな~。

偶然にもモンゴル息子と私の息子は同い年で、二人には共通言語がなくても初日から大の仲良しに。
※モンゴルでは英語や外国語を話せる人が本当に少ない

息子は、裸馬に乗れる友達のことが偉大に見えて、自分と大きな差を感じた様子。

……そうね、私たちはモンゴルの大自然の中で赤ちゃんのように無力だね。でも、それを知れたのも何だか嬉しいね。

草原の天気は変わりやすく、5日間の野営中 めまぐるしく天候に振り回されました。

夕方、暴風雨と雷がきた時には急いでテントに入ったのも束の間、テントごと吹き飛ばされそうになり、横殴りの雨がテントの中まで入りこんできました。どこかへ避難したくてもここは大草原のど真ん中、逃げこむ場所はない!


遊牧民ガイドのテントは暴風雨で骨組が折れてしまい、頭からテントの布をかぶっているだけの状態で今まさに吹き飛ばされそうな真っ最中なのに この状況を笑い飛ばす……
それにつられてこちらもまた笑えてきて、「まあ何とかなるさー」 とテントの中で濡れたまま朝まで眠ったのでした。

      雨ガッパを着て乗馬中

またある時、雨に打たれて馬で走っていたら雨ガッパの気持ち悪さを感じて脱いでみると、下に着ていたウールと麻の重ね着のほうが雨に濡れても気持ちいいことが肌で分かりました。

初日の完全防備から日を追うごとに、サングラスも、日よけのスカーフも、ブラも、小さなポーチも、雨ガッパも、どんどん脱ぎ捨てて本当に身軽になったな~と自分で自分の変化が面白かったです。

周りにいる動物たちは馬も、牛も、羊も、ヤクも、みんな雨に濡れていて、みんなと同じように濡れている同じ生き物である自分。そう自然に感じられたのは大らかで 嬉しいことでした。

「大草原で野営テント生活の日々 in モンゴル」
「モンゴル大草原の子供たち」
につづく……

スポンサーリンク
おすすめ記事