A bucket of Water a Day
in Africa

こんにちは ドイツ在住の
ピイル めぐみ(Megumi Piel )です。

今回は
水不足の時期にバケツ一杯の水で過ごした
アフリカでの日々の様子をご紹介します。


2~3週間のつもりで行った
東アフリカでしたが、
あらゆる面で
想像していた以上にタフだったので

結果的に
ケニア・タンザニア・ザンビア・ジンバブエ
で 5ヵ月かかりました。

治安の悪さや 衛生面、病気など
覚悟して行ったものの
それまで先進国しか知らなかった私は

アフリカに着いた途端に
今までの常識が
まったくの非常識になって

世界がひっくり返ったような
顔面パンチを喰らったような
連続でした。

その一つが水問題。

慢性的な水不足を
抱えている地域が多いアフリカですが
季節が乾季に入ると
水不足が厳しくなります。

利用していた安宿の状況は
どんなだったかというと・・・・・・

シャワーとトイレは共同で
水道管は通っているけど

蛇口からも
シャワーヘッドからも
水は出ないのが当たり前。

トイレも同様で
一応、水洗トイレだけど

乾季の水不足の時期になると
水は出なくなり、
排泄物がある程度たまると

宿のスタッフがバケツの水を
持ってきて 流すシステム。

もちろん
手洗い場の蛇口からも
水は一滴も出ない。

中級~高級ホテルであれば
水の供給事情も違ったのでしょうが
安宿の現実と 一般庶民の日常は
だいたいこんな感じ。

そんな訳で
ないものを使うことはできないので

水のない生活に
合わせるしかありません。

では、どのように
しのいでいたかというと・・・・・・

毎日、宿から
バケツ一杯の水が配給されます。

一人で使える水の量が
一日バケツ一杯だけ!

そのバケツの水を見たとき、
ありがたいと思うと同時に

たったバケツ一杯の水で
これから一日
どうやってしのごうか・・・?


今すでに直面している
切実な問題です。


水を使う場面を
改めて思い起こしてみる・・・

・朝起きて顔を洗う
・トイレ後の手洗い
・歯磨き後の口ゆすぎ
・水浴び(体を洗う)
・衣類の洗濯

どう考えても
バケツ一杯では足りない。

でも、ないものは、ない。

自分の部屋に置かれた
バケツの水を眺めて
一日の配分を考えてみる・・・・・・

・朝起きて顔を洗う・・・コップ1杯
・トイレ後の手洗い・・・コップ1杯×5回
・歯磨き後の口ゆすぎ・・・コップ1杯×2回
 ※胃腸の弱い人の場合、
      口ゆすぎにペットボトルの水が安心 

その残りで
・水浴び(体を洗う)
・衣類の洗濯

この配分でやってみたところ
・・・・・・足りない!

水浴びをしたら
衣類を洗濯するだけの水は
残らないし、

衣類の洗濯をしたら
水浴びする水は ない。

そんなこんなの数日を過ごした後、
ハタと気づいた。

水浴びを毎日ではなく
一日おきにするのだ。

水浴びをしない日は
洗濯物もほぼ出ないから
水の使用量を大幅に減らせる。

これを試してみた結果、
1日目にもらったバケツの水は
半分以上残って

次の日にもらったバケツ1杯と
合わせると1杯半以上になった。

おお~ これなら余裕!

初めは
「足りない、少なすぎる」
と思っていたけれど、

慣れてくると バケツの水が
なみなみとあるように
感じられるから不思議。

ごく単純なことだけど、
これで 自分一人の水不足はクリア。


また、いざという時のために
毎日バケツの水を
使い切ってしまわず残しておくと
精神的にも 危機感や切迫感がなくなる
ということを実感。

とはいえ

長居することになった安宿では
気のいいスタッフが

「足りないときは 
都合をつけるから、言ってね」
と気を利かせてくれて

一度は 必要があって
一杯余分にもらったけれど

使う水の量が
身について定まってくると、
それ以上 必要だと思わなくなる
という自分の心境の変化もありました。

写真:安宿の部屋で朝食をとる私 in Kenya

 

・・・・・・こんな感じで
それまで当たり前になっていた
水がふんだんにある環境では
想像もできなかった危機感を
少し味わって

水不足とはこういうことだと
身をもって少し理解し

普段 使っていなかった
頭と勘を 働かせることに
つながりました。

こうして 
できなかったことを
何とか工夫してクリアしているとき

眠っていた能力や 野性の勘が
呼び覚まされるのを感じます。



また、アフリカの人々が持つ
身体能力の高さや 
野性的な感覚は

こういう環境で
培われた部分も大きいのだろう
と少し理解できた気がします。

私たち人間に備わった潜在能力は
自分では なかなか把握できないけれど

実は
計り知れないスケールを
はらんでいるのだと思います。

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