前回の記事
「山岳民族の郵便配達は山道を4時間は歩く」
のつづきです。
私の目指す山奥の村は地図もない地域だったので、 ふもとの村の人々に聞いた道順を頼りに、更に奥へ進みます。
ひたすら続く山道。 果たしてこの道で正しいのか?
いや、道があるからには、道の先には何かある(はず)。
そう思いながら進むうち、山道の途中で郵便配達の男性に会い、 奥に村があることを確認できたので、迷わずどんどん進みます。
自転車で行ったものの途中からは悪路になり、 自転車では進めなくなったので、歩きます。
そして、とうとう たどり着いたのが……
ああ、村があったー!と喜びと安堵を味わうのも束の間、
突然 現れた異人である私を見物しに子供たちが集まってきました。
そう、どこへ行っても初めに近づいてきてくれるのが子供たち。
こういう大自然の中に暮らす子供たちは、シンプルでまっすぐで、感覚が冴えています。
好奇心があって、そして警戒心も持ち合わせています。
無意識でしょうが、村の入り口の要所で始めは門番のようにブロックして、こちらの様子を伺います。……これはやはり、突然現れた誰とも分からない者に対する防衛反応ですね。
当然ながら ここは彼らの大切な生活の場なので、 こちらは「お邪魔しています」「見せていただけますか」というスタンスが重要。 もしも村の子供や大人に「帰れ」と言われれば、いさぎよく帰ります。山岳民族の村々の人たちに、そんな気持ちで接します。
そうこうするうちに村人たちとの距離が縮まり、 村の中へと招き入れられ、家の中にも入れてくれました。 言葉は通じなくともコミュニケーションをとれるのが、 世界40数か国で百戦錬磨してきた私の武器というか、宝です。
村の中を色々と見せていただきましたが、ここはもちろん水道も電気も通っていません。
様々な物を見せていただいた中で個人的にひときわ目を引いたのがこちら。
目を奪われる 鮮やかさ!その手仕事の細かさも、素晴らしい。
この静かな山奥の村で、こんなに鮮やかな幾何学模様が生まれるのが、山岳民族の不思議です。
優しげにみえる大自然の中にも、こういった世界観をモン族の人々は見てきたのですね。
この山奥の村へたどり着くまで長い長い道のりでしたが、 私にとっては 他には代えられない価値ある訪問になりました。
迎え入れてくれた、素朴で優しいモン族の皆さんに感謝の気持ちを送ります。
モン族について、また回を改めてご紹介したいと思います。
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